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情熱の船

by kusukawauso

 情熱の船リリースから1ヶ月が過ぎ東京、大阪でのワンマンライブも無事終わりました。アルバムは多方面からお褒めの言葉をいただき感謝しております。結成十周年、不思議なもので続いていますねバンドが。

 最近よく思うのですが、一生のうちで作っておきたい曲というものがあるとすれば全部作ってしまった気持ちです。先日のライブでも少し話しましたが、これは本当です。ある日パッタリと曲ができなくなるのではないか、と思うわけですが、そんな日が来たらその時は仕方ないと諦めるしかありません。幸いまだその日は来てないようで、もう少し曲を作り続けることができそうで、それでまだ気づいたら曲を作ってしまうわけです。これはなかなか意味がわからないですよね。このまま一生続くものかもしれません。iPhoneのボイスメモをきいて、過去の自分の鼻歌を聴いて、お!これはいい!と他人の残したデータのように思って、その断片を拾い集め作り始めてしまうわけです。

 良いバンドは売れています。よく売れているバンドを否定する人がいますが全く間違っている。売れているバンドには理由がある。魅力があるから。良いバンドは沢山います。もちろん、その反面、良いバンドなのに売れなかったバンドもたくさん知っています。世の中には、たくさんの音楽があふれている。僕が作らなくても何ら問題はないわけです。それでも音楽を続けたいと思う情熱はどこから来るのでしょうか。全くはわかりませんが、やはり理屈抜きに好きだからやっていることが理由としてひとつ。

あと、良いと思って作った曲が、良いと言われた時の浄化される感覚。やはり間違ってなかったんだと、そのカタルシスが全てな気がします。

 影絵作家の藤城清治さんは九十歳を超えて今なお現役で作品を残しています。僕なんて比べられるレベルではありませんけど、音楽に限らず、一生作品を作り続ける人生は素敵ではないですか。僕はそんな人生を目標にしています。

 それでは、情熱の船セルフライナーノーツです。

かぎろい

 若い頃はきっと過ちを繰り返す日々で、根拠のない自信で多分うまくいくから良いやと強がってしまったり、逆にどうして素直になれなかったんだろうと後悔したりもする。やりたいことに情熱を注ぎすぎるあまり、自らの熱で周りが見えなくなるという事もあったような気がします。そうなると目標や夢は遠くのほうで揺らいでいるだけで少しも近づくことができない。でもその時はその事実に気づけない。

 三十代を生きている今、家族やバンドは僕にとっては情熱の船のようなものと考えるようになりました。あるところではひとつの目標に向かって人生をともにしている集合体です。自分の場合は幸いにもいくつもの人生を過ごすことが出来ている気がします。どの船もバランスを取らないと転覆してしまうわけですから難しいこともありますが、人生は一度きりです。

 帰ることのない日々を僕らは過ごしているわけで、すべての人間がうまくいくわけではないけれど、情熱のゆらぎその先に何が見えてくるのか探してみたいと思っています。昔のこともたまに思い出しながら。

 アルバムタイトル「情熱の船」はこの曲の歌詞から。

手紙

この曲は愛する娘のために。

書いてからリリースまで時間がかかってしまったけど本当に最高の形で作品に残すことができたと思います。

6歳になってとりまく世界は日に日に広がっています。いつまでも一緒にばかなことをやっていたいし、その笑顔が見られるならきらわれてしまってもいいと思ってます。

大きくなってしまったら直接言葉にすることはなかなか恥ずかしいかもしれない。

 歌詞に願いを込めて。僕からの手紙です。

Don’t let me downの僕たちを

僕はどうしても青春をテーマにした曲が好きなのですが、今思えばその青さや儚さはとてもキラキラしているもので、もっと青春というものを一生懸命に過ごせばよかったなぁとも思います。

学生時代は人それぞれですが、恋愛で喜んだり悲しんだり、将来のことを悩んだり、忙しい不安定な日々だと思うんです。その時には当たり前で気づけなかった感情に、後になって後悔することも多いと思います。

楽曲は男女の掛け合いで転調を繰り返す構成が不思議な違和感を残しつつも気持ちよく場面転換できた気がしています。時期としては卒業して数年後の春あたりでしょうか。

この曲は、デュエットソングとしてバンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHIのななせぐみさんにお願いしました。何度かライブを見させてもらっていて、透明感のある歌声が儚くて曲にとてもよくあっています。

ハートビートからKnockしてるBaby

大学を卒業してすぐの頃ですが、初めて車を買いました。車のことなんて詳しくなかったし何もわからないまま。中古でちゃんと走ればなんでも良かった。

カーステレオは徐々に壊れ、音は出るけどディスプレイが映らなくなり手探りで操作。いわば壊れかけのRadioが僕のハートを鳴らし続けてくれてたわけです。

赤い車に乗っていろいろなところへ出かけた。今思えば、僕の喜びや悲しみのストーリーをひとつ残らず全部運んでくれていたのです。

この曲は配信でリリースしたものからほぼすべてを再録・リミックスしています。

映画

映画のジャンルをひたすら並べ続けた曲です。「映画っていうのは本当に面白いものですよね~」と故水野晴郎さんのおなじみのあのセリフがありますが、そのオマージュであり映画へのリスペクトも込めています。

サビの歌詞とメロディに引っ張られて作詞しています。それなら全部映画のジャンルをひたすら並べてやろうと「映画ジャンル」で検索しひたすら羅列してメロディラインに気持ちよくきまる歌詞を落とし込む。そんな作り方ですが、笑えるし、何故かすこし泣けるドラマチックな曲に仕上がっています。

「すこしふしぎなんて素敵なサイエンス・フィクション」という歌詞は藤子不二雄先生へのリスペクトを込めて。

レインマン

雨の夜、信号待ちのフロントガラスのいろんな光を見て思いついた曲です。

サビのメロディなんかも自分らしくないタイプで珍しい曲かもしれません。

アレンジのこだわりはたくさんありますが特にベースラインがいろんな表情があって面白く仕上がったかなと。

サビは歌い上げる形ではなくファルセットを結構入れてもらっています。そこにフォーカスした曲があっても良いなと思いました。

Ring a bell

事前にテーマを決めて曲を作ったことがなかったので、やりそうにないクリスマスをテーマにしています。

歌詞もいくつかワードを選定して物語を考えるような感覚で、特殊な方法で作ったのを覚えています。

気持ちの伝え方って時代時代でいろいろな方法がありますが、「会えない距離を線で結んだらどんな形が見えるの?」という一文は我ながらぐっと来てるポイントとなっています。

2人にしか見えない形というものがあるわけですよね、きっと。

配信リリースしたものから大幅にリミックスをしています。

シロモノ

この曲は鳩(a.k.a鳩)作詞作曲です。

彼の曲は毎回、伸び代のある無垢な状態でデモを作ってきてくれるので、編曲のやりがいがありました。基本は彼のイメージは尊重しつつプリプロでリズム隊を大きく手を入れました。オルガンはほぼ彼の考えたデモのまま面白い良い感じになってます。

そのあとゼロの状態からギターを考えたのですが、上手くはまってよかったです。今聴き直したらなかなか歌詞が良いですね。

メトロポリス、2つの月

遠い未来、地球と同じような惑星が見つかったとして、そこにはもしかしたら2つの月のような衛星があるかもしれない。その星に住んだらどんな景色が見れるのだろう、と妄想をしつつ書きました。

希望と絶望は2つの月の象徴として、公転をすることでいつかは必ず出会ってしまうもの。人生の避けられない出会いと別れと同じと考えています。だから生き急いでも仕方ない。

いつの時代を生きていても、好きな子のことを考えて嬉しくなったり、悩んだり傷ついたり、今と変わらないものはきっとあるはずです。

光のような速さで過ぎていく日々を大切に生きる未来の若者を想像して書いた歌です。

この楽曲は手塚治虫先生の「火の鳥」から影響が大きいと思っています。僕は火の鳥が大好きなんですよね。

この曲は愛する息子のために。

子供と一緒に過ごせる時間というのは本当にあっという間。僕らが何気なく過ごしてしまってる1年間でも彼らは急ぎ足で大人になってしまう。用意着々と旅の支度をしているわけです。それが嬉しくもあり、さみしくもあり、楽しみでもあります。

この歌を口ずさんでくれている息子はまだまったく歌詞を理解していないです。

歌詞に願いを込めて。

この曲は配信リリースしたものから、ギター、鍵盤を再録しリミックスしています。

マリー・ミー

この曲はぺーじゅん作詞作曲です。

弾き語りでずっとやっていた曲で思い入れがとてもありました。今回バンドアレンジをイメージしてしっかりとしたデモを作ってきてくれて、それがすごく良かったので大筋は変えていません。

サビのピアノ、ギターとのアンサンブル、そして2サビのベースラインなどシンプルな中に美しいカウンターメロディを入れられたと思ってます。歌詞の内容からもラスト曲かなとみんな思っていました。

そして楽曲の最後に歌だけになって終わるところも美しくアルバムの最後を飾ってくれています。

情熱の船

<収録曲>

1. かぎろい

2. 手紙

3. Don't let me down の僕たちを feat. ななせぐみ

4. ハートビートからKnockしてるBaby(Album Version)

5. 映画

6. レインマン

7. Ring a bell(Album Version)

8. シロモノ

9. メトロポリス、2つの月

10. 暁(Album Version)

11. マリー・ミー

MY UNCLE IS VERY FAMOUS TENNIS PLAYER RECORDS

Produced by 楠本純一

Arranged by 荒川ケンタウロス

レコーディングエンジニア

太田 "たりお" タカシ

マスタリングエンジニア

根本智視

ドラムテック

北村優一

イラストレーター

cato friend

アーティストマネージメント

山口洋樹

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